令和7年度
経済・経営研究部会
社会的に望ましい高速道路料金のあり方に関する調査研究委員会
[委員長:田邉勝巳(慶應義塾大学商学部教授)](期間:令和7年度~令和9年度)
近年、世界的な原材料および原油等エネルギーの品不足や価格高騰・円安の影響を受けて、建設工事の資材価格や人手不足による人件費も高騰しており、金利も上昇傾向にある中で、老朽化する高速道路の改築などを円滑に進めていくためには料金改定も視野に入れた検討が必要となっている。
このような背景のもと、本研究では、社会的に望ましい高速道路料金改定のあり方について欧米の有料道路の事例を参考にして、①高速道路の料金設定の考え方、②道路のサービス水準と負担のあり方、③料金改定のあり方等について、調査研究を行っています。
高速道路と物流施策動向に関する調査研究委員会
[委員長:手塚広一郎(日本大学 経済学部 学部長 教授)]
(期間:令和4年度~令和7年度)
「総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)」が令和3年6月に閣議決定され、物流DXの推進など政策的な見地から今後の目指すべき方向性が示されたことから「物流経営および物流政策が変化している環境の下で高速道路が果たす役割は何か?」という観点から、 ①最近の物流経営および物流政策の動向を把握、②一連の物流経営および物流政策の動向を踏まえて、高速道路が物流に対して求められている役割について整理・調査し、 これらの2つの検討を通して、社会的な見地から、望ましい物流政策を実現するために、高速道路が果たす役割、そのあり方や将来像について、9つの提言と今後の継続課題について、令和7年9月に報告書としてまとめました。
報告書①はこちら
報告書②はこちら
諸外国における自動運転に係る法制度に関する調査研究委員会
[委員長:寺田一薫(福島学院大学情報マネジメント学部教授]
(期間:令和7年度~令和9年度)
世界では、自動運転車の技術開発が進み、日本、米国、欧州、中国などが、法制度の改正に取り組んでいる。
このような背景のもと、欧米における自動運転に係る法制度の検討状況と論点を把握し、取り上げられている課題と法令における対応方法を検討することにより、特に、高速道路会社が取り組むべき対策、事業等の参考とすることを目的とした調査研究を行っています。
道路・グリーンインフラ研究部会
高速道路の景観史に関する調査研究委員会
[委員長:中村良夫(東京工業大学名誉教授]
(期間:令和4年度~令和7年度)
名神・東名高速道路といった高速道路建設の初期から、安全で快適な運転に必要な道路の計画・設計に関する検討を端緒として開始された景観研究は、以後、約60年間余にわたり土木分野での景観の理念とともに実践的アプローチがなされてきました。 本委員会では、高速道路創成期の「道路景観」の思想の原点を整理、記録すること、およびその後の高速道路建設に伴って実践された具体事例をその当時の社会情勢や国等の動きとともに整理することを目的として研究を行っています。
高速道路のカーボンニュートラルに向けた総合的な施策等に関する基礎的研究委員会
[委員長:石田東生(筑波大学名誉教授)]
(期間:令和4年度~令和7年度)
2050年カーボンニュートラルに向けて、国を挙げてこの実現に向けた産学官が連携した取組みが始まっています。本委員会では、高速道路分野での2050年カーボンニュートラルに向けた、これからの高速道路のあり方および施策体系について検討しています。
高速道路における橋梁技術の変遷に関する調査研究委員会
[委員長:二羽淳一郎(東京科学大学名誉教授]
(期間:令和5年度~令和7年度)
これまで高速道路において、約20,000橋と数多くの橋梁が建設されてきました。本委員会では、高速道路における橋梁技術の記録、若手技術者への技術の伝承、学生への橋梁志望の動機付けを図ることを目的とし、近年のリニューアル技術も見据えながら新たな橋梁写真集の発行に向けて研究を行っています。
「写真で見る保全業務」の改訂に向けた委員会
[委員長:池田隆成(㈱高速道路総合技術研究所 常務執行役員 総括研究主幹 兼 基盤整備推進部長)]
(期間:令和6年度~令和7年度)
現場写真を数多く掲載し、保全業務の内容について分かりやすく解説した『写真でみる保全業務』が、前回の平成16年10月の改訂から20年以上経過しており、「新技術・新工法等新たな業務内容の追加」、「関係要領の改訂等に整合した説明文の見直し」、「掲載写真の全面見直し等」を主眼に、より現状の保全業務に合致した内容に見直しを行い、高速道路関連技術の研修や高速道路の保全業務を紹介するための資料として活用されることを目的に、本委員会において改訂作業を行っております。
高速道路の緑化史に関する調査研究委員会
[委員長:藤井英二郎 (千葉大学名誉教授)]
(期間:令和6年度~令和8年度)
名神高速道路を緒とする我が国の高速道路は景観との調和を理念として、のり面や中央分離帯の緑化に関する技術を開発し、道路の安全と快適な運転に資する道路空間を形成しました。以降、騒音、大気汚染などの公害から、循環型社会、地球温暖化防止、生物多様性の保全など、社会情勢や国等の動きに応じた緑化技術や施策の他、生活様式の変化や地域防災に対応すべく、休憩施設やのり面の緑化も変化してきています。
本研究は、高速道路の緑化について、学識経験者や技術者等の経験や教訓を含め多角的にみつめ、今日の、そしてこれから高速道路の緑化に携わる方々や技術者に伝える緑化史として取りまとめることを目的とするものです。
交通・サービスクオリティ研究部会
高速道路での居眠り運転防止対策の効果に関する調査研究委員会
[委員長:倉内慎也(愛媛大学大学院理工学研究科 生産環境工学専攻 准教授)]
(期間:令和6年度~令和8年度)
本委員会では、過年度の研究で得られた居眠り運転等の防止に関する知見を基に、居眠りに加えて漫然運転防止の観点から、高速道路で実施中の対策の効果向上及び新たな対策の実装に向けて、DS実験等を活用して視覚面や聴覚面から検証を行い、その後現場での試行実施も踏まえてその効果についての検証を行ってまいります。
高速道の活用による移動の利便性・快適性向上施策等に関する基礎的研究委員会
[委員長:朝倉康夫(一般財団法人 日本みち研究所 理事長、東京科学大学・神戸大学 名誉教授)]
(期間:令和6年度~令和8年度)
鉄道等交通事業者や行政を中心として、MaaSに向けた取組みが既に各地で展開されていますが、一方、現在のところ高速道路会社が参画している事例は少なく、また、交通結節点となり得るSA・PAを含め、現時点では他事業者との連携の観点で高速道路が十分に活用されている状況ではありません。
そこで、本委員会では人口減少、高齢化、ドライバー不足や働き方改革による物流システムの改革、インバウンドの増加などの今後の社会環境の変化を見据え、将来的に高速道路空間を活用した移動の利便性・快適性向上に資するサービスについて、今から5~10年先の展望を含めて提案することを目標として調査研究を行っています。